【2023年1月】世間を騒がせているColabo問題とは?

ツイッターのトレンドで『#Colaboコラボ問題』が注目されています。

一体何がそこまで世間を騒がせているのでしょうか。時系列を追って調べてみました。

NPO法人Colaboコラボとは?

一般社団法人Colabo(コラボ)は、主に少女の自立支援を行っている法人である。

女子高生サポートセンター「Colabo」を開設して「若者と社会をつなぐきっかけの場づくり事業」を展開している。事務局は東京都新宿区歌舞伎町に置いている。

引用元:ウィキペディア

具体的には、主にSNSを通じて家出少女や貧困少女の保護を行い、一時的に宿泊施設(シェルター)を貸与したり、人生相談や食料提供を行っている団体のようです。2011年設立ということなので歴史は深いですね。

公式サイトにて『10代女性を支える活動』と明記している通り、主な保護対象は女子高生や女子中学生ですが、最新の活動報告書を見るとわずかながら男性や20歳以上の女性相談者も存在するようです。

一見すると、生活に困って歌舞伎町に身を寄せた、性売買一歩手前の少女たちを救う…という理念の素晴らしい団体に見えますね。概ね、こういった団体は一度火が付くとあることないことでっちあげられて炎上しがちですが、どうなんでしょう。

“敵を作りやすい"代表者

Colaboの代表者は仁藤夢乃にとうゆめのという女性です。1989年生まれの33歳(2023年現在)で、職業は社会活動家という肩書きになります。

親のDVの影響でご自身が中高生時代に荒れていた過去があり、高校を中退していますが、その後に大検を取って明治学院を卒業し、東日本大震災の際はボランティア活動に従事するなど、なかなかハングリー精神豊かな人生を送っていらっしゃいます。

そしてフィリピンを社会見学しに行った時に見た児童買春の惨状や、自身が学生時代、メイドカフェでアルバイトしていた時に性的搾取された経験を元に、強く『女性の人権侵害』を感じるようになり、Colabo設立のバックボーンになったようです。

ところがこの仁藤さん、度々性搾取について過剰反応とも思えるような発言が目立っており、しょっちゅうアンチを騒がせています。いわゆるツイフェミであり、敵を作りやすいタイプの方ということです。

挑戦者:暇空茜さんの登場

そんな仁藤さんに目を付けたのがネットウォッチャーの暇空茜ひまぞらあかねさんです。

この方は過去にセガやサイゲームズに在籍していたこともあるゲームクリエイターですが、現在はすでに退職しており、ブログやYoutubeの動画投稿を行っている一般人。本名をnoteで公開しており、水原清晃みずはらきよてるというお名前です。アイコンは可愛い女の子ですが、中身は40代の男性です。

この暇空さんが、仁藤さん率いるColaboに対し『共産党と強いつながりがある』と指摘したのがバトル開始の合図でした。行動の発端はフェミニズムを盾にして、既存のマンガや女性キャラクターをバッシングしている仁藤さんに腹が立ったからだそうです。

仁藤夢乃さんのColaboと共産党について調べてみました

Colaboの反撃

この暇空さんのアンチ活動に対し、Colaboは2022年11月末、『女性をタコ部屋に住まわせている』『生活保護費を不正受給している』などの指摘が不当な誹謗中傷・デマだとして、損害賠償1100万円を請求する訴訟を起こしました。

これについて暇空さんもカンパで裁判費用を募った結果、5000万円もの資金が集まりました。仁藤さんがいかに普段から敵を作っていたかわかります。

また、訴訟には本名の他に相手先の住所が必要ですが、これが本来は入手してはいけないルート(別件で暇空さんが弁護士に送ったもの)からColabo側が入手していたことが判明。

まさにツッコミどころの多い泥沼な展開ですが、お二人は徹底抗戦の構えです。ちなみに裁判はまだ証拠集めの段階で、まだ開始されていません。

『支える会』の発足

同年11月末頃、このバトルに対して『Colaboと仁藤夢乃さんを支える会』という団体が発足します。在籍するのは83名であり、ジャーナリスト、法学家、弁護士など錚々たる顔ぶれです。仁藤さんを援護射撃するメンバーというワケです。

構成するのは一般市民であり、一部では『Colaboの自作自演ではないか』という疑惑もありますが、Colabo側はこの活動について『大変心強い』と好意的に受け取っています。

ですが、ここで大問題が起きます。

シャブ中神父が乱入

支える会のメンバーに森康彦もりやすひこという人物がいました。この方もかなり波乱万丈な人生です。

元銀座界隈の反社(ヤクザ)であり、薬物乱用を理由に極道を破門された後、キリスト教の神父へと転向。その後、NPO法人ホザナ・ハウスという団体を創設し、不登校児童の為のフリースクールを経営していました。暴力団幹部から青少年を保護する博愛神父へと生まれ変わった過去を持つワケです。

そんな彼ですが、昨年の2022年9月にはColaboと連携した上で、児童買春の現状を訴える『私たちは買われた展』を主催していました。

一見、子どもたちの為に日々努力する美しいクリスチャンのように見える森ですが、2022年12月8日、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されます。

直接の原因は森の内縁の妻が、『覚せい剤を打たれて性行為を強要された』と警察に駆け込んだこと。警察はすぐに森の身柄を拘束しますが、『点滴を打ったから陽性反応は出ないよ』と挑発するような態度だったそうです。でも森の予想とは裏腹にしっかり陽性反応が出て、あえなくお縄となりました。

これに面食らったのはColabo側です。

森の管理するホザナ・ハウスは入居者を『15~20歳の女性限定』とするガールズシェルターなども運営していたので、ネットでは『買われた展の主催者が"買う側"だったんじゃないか』、『家出少女を保護する名目でシャブ漬けにして、"売らせて"いたんじゃないか』などという疑惑が飛び交い騒然とします。

当然ながらColaboにも再び目が向くことになり、暇空さんにとっては格好の攻撃材料となります。

この教会の神父がクスリ漬けだったという衝撃ニュースは海外にまで飛び火しますが、なぜか日本国内ではあまり報道されず、Colabo側もコッソリと支援者から森の名前を削除することで対応しました。

それがまた炎上騒ぎに油を注ぐ結果となっています。

『貧困ビジネス』の疑惑

以前より、Colaboは路頭に迷う少女たちを集め、生活保護の不正受給をあっせんしそれをピンハネする、いわゆる『貧困ビジネス』に手を出しているのではないかという疑惑がありました。

これは現在もただの疑惑に留まっていますが、前述の森容疑者が逮捕の際に『点滴を打ってもらった』と述べていたことから、NPO法人と医療機関の不適切な関係がまことしやかに囁かれるようになりました。

つまり、Colaboは医者に依頼して、『うつ病であり、就職は困難』という診断書を家出少女たちに対して書かせ生活保護申請を通りやすくする。医者はその分Colaboになんらかの便宜を図ってもらい、オイシイ思いをするという構図ですね。

ただの妄想で終わりそうな話ですが、森容疑者が逮捕間際に言っていたことが本当であればどこかの医療機関で『クスリの陽性反応を抑える点滴』を打ってもらったことは事実です。素人には無理でしょうから。

また、それに拍車をかけるように、匿名で内部告発のツイートも12月末に登場しています。(現在は鍵垢なのでスクリーンショットのみ)

不正会計の疑惑

ColaboはNPO法人であって税金(+寄附)で活動していますから、東京都にしっかり会計報告を提出する義務があります。その会計書類についていくつか疑惑があり、暇空さんがエクセルに資料をまとめています。

Colaboの会計報告をまとめたもの。

見てわかる通り、予算と実績がピタリと1円単位まで合致しているものが多いです。これは例えば医療費で言うと、「大体65万円くらいかかるかな?」と予想を立てたものに対して、実際に65万円ピッタリ医療費が発生したよという報告になります。

通常で考えると1円単位まで合致するということはありません。予算に対して実際にかかったお金が少ないと、次の年からは予算を下げられるのが一般的なので、そうならないよう過剰に計上した疑惑があるんですね。

これには公認会計士の資格を持つ方もおかしいと声をあげており、著名人のひろゆきさんも疑惑のツイートを公表しています。

Colabo側の反論

この疑惑について昨年末、暇空さんより住民監査請求が東京都に提出され受理されました。実は9月にも一度申請されていたらしいのですが却下されたらしく、2回目のトライとなります。

ちなみに住民監査請求というのは、「なんかこの団体おかしいからキチンと調べて下さい」と一般人が東京都監査事務局にお願いする手続きです。

その結果、正式に監査の結果が2023年1月4日本日、公開されました。

以下は報告内容からの抜粋(一部編集)です。

1. ホテルの宿泊費についての不正が否定されたこと(18頁) 

 令和3年度にホテルの宿泊費の予算を300万円(1泊1万円として300泊を想定)として、実際にその予算以上の支出となったので300万円の予算を使い切りました(一時保護対象者の宿泊支援数は232泊)。

 この点について監査請求人は、「実際の宿泊数は300泊ではなく232泊だったのに、300万円を受け取っている。1泊1万円が上限だから請求できるのは232万円のはずだ。つまり68泊分を不正に過剰請求している」と主張していましたが、このような主張は監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

 実際、1泊1万円というのはあくまで予算作成の際の目安でしかなく、実際に1泊ごとに1万円という上限が決められていたわけではないこと(1泊1万円を超えた場合もある)、保護対象者以外にスタッフが付き添って宿泊する必要もあることから、これは妥当な結論です。

2. 車両関連費についての不正が否定されたこと(19頁) 

 監査請求人は、タイヤ関係などについて不正請求があるとか、賃料月6万円の駐車場を3ヶ月だけ契約する予算を申請したのは選挙運動のためではないか等という主張をしていましたが、このような主張は監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

 なお月6万円の駐車場3ヶ月分については、予算の段階では確かに想定していましたが、結果としては契約・使用には至らず、予算の枠内で車両関連の別な必要経費に支出しています。

 もちろん「選挙運動のために公金を使って駐車場を借りた」などというのは、いわれのない誹謗中傷に他なりません。

3. 旅費交通費についての不正が否定されたこと(19頁

 監査請求人はガソリン代が過剰請求になっているという主張をしていましたが、このような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「試算に基づく請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

4. 通信運搬費についての不正が否定されたこと(20頁)

 通信費について、誤記が確認されたのみで不正は認められませんでした。

5. 会議費についての不正が否定されたこと(20頁)

 監査請求人は、予算として請求して使用した会議費が活動報告書の当該項目よりも多額になっていることから、不正請求だと主張していましたが、このような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

6. 各種保険についての不正が否定されたこと(20頁)

 監査請求人は、予算として請求して使用した法定福利費(各種保険)が活動報告書の当該項目よりも多額になっていることから、不正請求だと主張していましたが、このような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「過大申告とする請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

7. 医療費についての不正が否定されたこと(20頁

 監査請求人は、Colaboの活動報告書で医療費について医療機関から支援を受けた実績について記載していることを理由に、「支援を受けている医療費について、東京都にも請求しているのは不正請求だ」と主張していました。

 しかし、前者と後者とはあくまで別のものであり、監査請求人のこのような主張は監査委員によって「本件帳簿記録を調査したところ、本件活動報告書で支援があったとする医療費とは別の実際の医療受診費用等を経費に計上していることが確認できるため、医療費が不正に請求されたものであるとする請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

8. 実施状況報告書についての不正が否定されたこと(21頁)

 監査請求人は、都に提出する実施状況報告書と活動報告書の各種の数値に差異があることから、実施状況報告書が不正だという主張をしていました。
 しかしこのような主張は監査委員によって「法人Aの自主事業も含む本件活動報告書と本件委託に係る都に提出した実施状況報告書との差異を述べるにとどまり、本件実施状況報告書に不正があることの合理的な疎明はなされておらず、請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

9. 「不当」とされた事項について(22頁) 

 監査請求は「違法または不当」な公金の支出等を対象とするものですが、監査委員は、一定の事項について、以下のとおり「違法」ではなく「不当」と判断しました。

 人件費・法定福利費(税理士および社会保険労務士の経費)、領収書の取扱、事業実績額の記載、履行確認について不適切性が指摘され、また、給食費・宿泊支援費について一部、妥当性に疑義が指摘されました。また事業全般についての改善についての勧告も行われています。

 Colaboとして不正な経費の利用を行ってきたとは考えておりませんが、いずれにしてもこれらの指摘事項の具体的な詳細について今後確認したうえで、東京都に対しては、Colaboとしてこれまで行ってきた取扱のあり方について必要な説明を行い、そのうえで見直しや改善が必要ということであれば指導に従い、適切に対処していきます。

 なお、領収書の記載が抽象的であることについては、監査委員も「本事業の特性上やむを得ない事由があることは理解できる」としています。すなわち、虐待やDVから逃げてきた若年女性を保護するという本事業の特性上、その女性やスタッフの居場所の特定につながり得る情報は記載できず、このことは一般的な必要性として監査委員も認めたということです。

 公金の使途の透明性の確保と、本事業の特性に基づく一定の情報の秘匿の必要性のバランスをどのようにして適切に図るべきかは、以前から本事業遂行上の本質的かつ困難な課題であり続けています。

引用元:https://colabo-official.net/20230104/

結論からすると、いくつかの不当な部分はあったものの、会計報告について違法性はなく、Colaboが主張している通り、予算以上の金額が実際に発生しており、足らない部分は自腹で捻出しているということが概ね認められたことになります。

これは監査人がそのように報告している以上、特に問題はなく、結果的には『ちょっと間違ってる部分もあるけど概ね大丈夫』というカンジだったのではないかと思います。

別にColaboを擁護するワケではないですが、このくらいの指摘ならどこの会社の決算報告でもありそうかなーと。

いくつか疑問は残るが…

東京都がダメ出しした『いくつかの不当な部分』は概ねこのようなものです。

  • 本来の事業にかかった経費とそれ以外の経費の分類が曖昧
  • 人件費(給料)に所得税控除後の金額を載せているが、それは過少計上
  • 事業の特性上やむを得ないものの、一部無記名などあいまいな領収書が存在する
  • 実際に購入してなかったりする備品を書いてはいけない
  • 実際に夜間巡回しているのかいまいちわからない
  • 高級ホテルに泊まったり高級レストランで食事しているケースが散見される

これらについて、東京都は2023年2月28日までに必要な是正措置、または対策を講じるようColaboに指示を行いました。

ちなみに監査結果の全文はこちらから読めますのでお暇な時にどうぞ。

東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める件

まとめ

ツイッターで連日トレンドになっているColabo問題についてまとめました。

結局、『仁藤夢乃と暇空茜はどっちか勝ったの?』と言われるとまだ勝負がついてないというのが現状です。

誹謗中傷問題もこれから裁判ですし、住民監査請求の件も引き分けっていうカンジですし。

そんでまあ、なんでこんな騒がれてるのと言われると『面白いから』でしょうね。ナメクジで騒いだ餃子の王将と一緒。ストレートに言うとネット上のおもちゃ。

まぁ~東京都民としては税金が無駄に使われてたり、ヤクザとズブズブなNPO法人があったらイヤですが、その上の人たちがやってることに比べると些々たるものですから…。

この騒動についてはインフルエンサーである滝川ガレソさんもまとめてますので、見てみてください。このブログより全然わかりやすいです。

そいじゃーね!