ブラック企業の見分け方

学校では何も教えてくれない

時間が経つのは早いもので、もう令和2年も1月が終わろうとしています。
来期から新社会人になる人はとっくに就職先から内定をもらってる時期でしょうか。
それとも内定が取れずにドタバタしてる人もいらっしゃるでしょうか。

イルルも社会人になって、大体15年くらい経ちます。
就職したての頃は『毎日9時から働くなんて無理!』って思ってましたけど、何だかんだで空白期間は空けずにサラリーマンを続けられてます。

おかげで少しは世間のことも分かるようになり、ブラック企業の見分け方というのも分かるようになってきました。

今日は就活で悩んでる皆さんの為に、就職先の選定についてちょっとしたコツをお届けしたいと思います。参考になれば幸いです。

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会社のホームページを見てみよう

就職するに当たってその企業の危険度を知るに当たり、即座に無料で出来ることは、その会社のホームページを見てみることです。

パッと見て、なんだか素人がメモ帳に書いたようなホームページだったり、ホームページそのものが存在しないような企業はまず止めておいた方がいいです。

もちろん、何らか理由があって存在しない場合もありますが、大体は『ホームページを作る力がない会社』(システム基盤が弱い)か『出来たばっかりの会社』のどちらかです。

ホームページで見るべきところ

どの情報も大事っちゃ大事なんですが、特に注視すべきなのは以下の点です。
ちなみに、ホームページはあるけどこれらの情報が書いてない、というケースもあります。
そういった場合も、あえて載せていない(載せられない)という可能性があるので要注意です。小さい会社ほどそういった傾向が高く、大企業だと決算書まで公表してます。「ウチにマズイところは何もないから堂々と見てくれ」ってことですね。

  • 創立年月日や設立年月日の日付
    →どっちもザックリ言えば『その会社を始めた日』みたいな感覚で構いません。厳密に言えばそれぞれの意味は違いますが、日付があまりにも最近だった場合は、つい最近開業した会社ということになります。若い会社に入って自分の手で色々創っていくのも面白いっちゃ面白いんですが、体制作りが未熟な場合が多く、大抵の場合は苦労します。
  • 役員の名前
    →代表取締役、まあ大体は社長さんですね。あとは専務やら常務やら会長やら、要はその会社の従業員ではなく、会社の舵取りを行う人たちの名前です。それらの役員の苗字が全員一緒だったら要注意です。それはつまり、家族経営の会社ということになります。家族経営の会社というのは偉い人同士のけん制が利かず、仲良しこよしになりがちです。社長のバカ息子が自動的に次の社長になる、みたいなケースですね。また、人を満足に雇えないような小さい企業にありがちなケースでもあります。
  • 資本金の金額
    →その会社を作るのに用意したお金のこと。多ければ多いほどいい、と覚えておけばいいです。最低でも1000万は欲しいでしょう。資本金が多いということは、その会社を始める際の『本気度』が高いという指標になります。少なくとも、信用力に直結します。
  • 取引先金融機関
    →その企業がお金を借りている銀行のことです。銀行はその会社の信用力(すぐに潰れてしまうような会社でないかどうか)を査定してお金を貸すので、名前を聞かないような銀行しか取引していない場合は信用力が低い、ということです。みずほ、UFJ、三井住友みたいなメガバンクが居ればこの辺は安心です。
  • 従業員数
    →そこで働いている人たちの数。これはブラック企業に直結するとは言えませんが、あまりに少ない人数の場合はベンチャー色が強い企業ということになります。始めたばっかりの会社か、人を雇う余力がない会社ということです。零細企業ってことですね。人数が少ないとすっかり人間関係が出来上がっていて、慣れるまでに苦労するケースも多いです。最低でも30人以上はいないと安心出来ないですね。

『就職四季報』を読んでみよう

皆さんは就職四季報という本を知っているでしょうか?
東洋経済新報社が毎年発売している会社のデータをまとめた広辞苑みたいな本です。

この四季報には就職に当たって重要な情報がほとんど会社ごとに載っています。2000円くらいで売られていますので絶対失敗したくなければ購入しましょう。
産休制度などの情報が充実した『女子版』なんかも売られています。

ちなみによく似た名前で『会社四季報』っていうのがありますが、これはもうちょっとガチな人向けで、どっちかっていうと投資家が買うような本なので、学生の皆さんは就職四季報で十分だと思います。

就職四季報で分かること

こちらは就職四季報のページのサンプルです。

サンプル

引用元:東洋経済オンライン( http://www.toyokeizai.net/shop/magazine/shushoku_all/docs/sample/ )

はてさて、なんだか文字がズラーっと並んでいますね。分かりやすくマンガとかにしてくれたらいいのにね!
見るべきポイントは下記。

  • 開示の★の数(ページ上部)
    これはその企業が四季報の取材に対して、『どのくらい情報を開示しているか』を指します。★5が一番良いです。さっきも書いた通り、『ウチに見られてマズイところはない』って企業はフツー★5ですからね。3年後離職率がN/A(非公開)だったりする企業はまず危険。
  • 採用実績校(ページ左下)
    大体どこの大学からどのくらいの新卒を取ったか公表しています。大体のレベル感を掴むのに参照するといいでしょう。ただ、高学歴ばっか取ってるけどブラックっていう企業も存在するので、あくまで参考に。
  • 3年後離職率(ページ右上)
    つい最近、公表が義務化された項目。これの記載があるのは本当に羨ましい。就職にめちゃくちゃ有利だから。
    簡単に言えば、『入社したけど三年経たずに辞める人』の割合です。ブラック企業の指標として一番わかりやすい値です。0%が理想ですけど、まあ採用数にもよるでしょうね。恐らく離職率100%のところはN/A(非開示)になってるでしょう。
  • 有休消化年平均(ページ右上)
    これもブラック企業の指標としてとても大事。ブラックはまず有休くれませんから。有休が取れないということは風邪でも休ませてくれないってことです。『働き方改革』制度(国から有休を取らせなさいというお達し)のおかげで、大分有休も取りやすくなりましたし、ここがN/Aの企業も危険信号。
  • 平均年収(ページ右上)
    ここは逆にあんまり気にしない方がいいです。
    平均年収が高ければすごい企業に見えますが、あくまで平均であって中央値ではないので、あんまりアテにならない数字です。実際の面接で『初年度の年収はおいくら程度でしょうか』とストレートに聞く方がいいでしょう。
  • 純利益(ページ右下)
    経理に詳しい人ならすぐ分かると思いますが、その企業がどのくらい儲かっているかを指す値です。売上高、営業利益、経常利益、すべてに▲マーク(マイナス)がついていないのが理想ですが、最後の純利益に▲がついてなければまぁ良しでしょう。設備投資などで一時的に赤字になっているケースもありますので一概にどうとは言えませんが、会社の利益がマイナスな状況ですとボーナスも出ませんしどんだけ個人が頑張っても昇給が望めません。注意しましょう。

新卒カードの重要性

中学なり高校なり大学なり、卒業したての学生って社会のこと全然分かりませんよね。これは当然です。学校では教えてくれませんからね。まぁ、学校は社会人の予備校じゃないので教えるべきでもないと思いますが。(持論)

しかして、新卒というのは貴重なものです。いわばそれは真っ白な状態の人間だからです。それぞれの会社にはそれぞれのしきたり、やり方、ローカルルール、コーポレートカラーといった独自の文化があります。そういったものに洗脳し易い染まってコントロールし易いのが新卒という存在です。

なので、基本的にどこの企業も新卒は欲しがります。若くて使いやすいっていう理由もデカいです。男ならこき使えるし、女なら飲み会に呼ぶだけで楽しいし。(おおっと!炎上しそうな発言ですが中年サラリーマンの8割くらいはそう考えてますよ実際)

一部の大手には『新卒しか雇わない』という企業さえ存在します。おかげで世間知らずだらけだけどな!

まぁ、何にせよ新卒カードは最初から誰でも持っている最強の切り札です。変なところに使わないようにしましょう。

本気なら実地調査

あなたがめちゃくちゃ本気で調査したいなら、実際にその会社に出向いてみましょう。
どんな雰囲気の企業なのか、眺めてるだけでもいろいろなことが分かります。

例えば、長髪のだらしない恰好の社員が出入りしてたり、真夜中まで窓に明かりがついているような企業だと要注意ですね。

匿名で電話してみるのもいいでしょう。『ホームページを見ているのですが、御社の業務内容について教えて頂けませんか?』とか匿名で適当に。はっきり言って、トンチンカンな質問でオッケーです。

そういった質問への対応がどの程度丁寧かによって企業の本質は色濃く出ます。怒ったり、露骨に迷惑そうにされるようであればちょっと危険ですね。怖い人が多いから、というよりは『心に余裕がない』状態の会社だからです。また、電話にどのくらい早く出るかといったところもブラック度合いの指標になります。電話がずっと鳴りっぱなしの企業はまずOUTです。人が足りてない、もしくはカスタマーファーストの精神が育っていないということなので。N〇Tみたいな半官半民の企業の場合は殿様商売でもやっていけますけど。

ブラック企業の多い職種

ここからはイルルの社会人生活における経験則ですが、ブラック企業が多い職種をご紹介します。

業務時間が不安定な仕事

一般的に、業務時間が不安定な仕事というのはブラック化しがちです。急な残業にも対応しなければならないですからね。休日に人手不足で呼び出されるなんてことも。

それでは、どんな仕事が不安定になりがちなんでしょうか?

分かりやすい例を挙げると、『人を相手にするサービス業』です。具体的には飲食業や介護業、公務員だと教師なんかもブラック化しがちって言われていますね。
また、不動産なんかは水曜日の休みが一般的で、土日は基本的に仕事です。ここは人それぞれでしょうけど、土日休みがデフォルトじゃない業種は『友達と遊びに行き辛い』などのデメリットがあるので注意しましょう。

工場やその他労務などの仕事

ガテン系と呼ばれる工事現場労働とか、工場で何かを作ったりする仕事ですね。これらの仕事は『休みが取れない』とか『パワハラがひどい』といった人為的なブラックではありません。いわゆる、3kと呼ばれる枠組みに入るのです。

3kとは、『きつい、汚い、危険』の略です。

厚生労働省が発表している、労働災害の事例を見てみましょう。
→  https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_FND.aspx

ほとんどが工場での作業や化学薬品の取り扱いのミス、その他労務上で発生していることが分かります。工場勤務全てにこういった危険が存在するとは言いませんが、体力に自信がない人は避けた方がいいかもしれませんね…。

誰でもやれる仕事

誰でもやれる仕事というのは、言い換えれば『必ず面接が受かる仕事』です。
そういった仕事は基本的に常に人手不足なんです。もっと言い換えれば、入った社員がすぐ辞めていく企業ということです。面接を受けた日に『君ほどの人なら選考はまず通るだろうし、特別に即内定ということで』なんていう会社は黄色信号です。

ズバリ言えば、消費者金融とか不動産、保険ですね。
特に、イルルは保険業に何か恨みがある訳ではないですが、今も昔もぶっちぎりでブラック度合いが高いのは保険業です。特に女性の営業、いわゆるセールスレディ。

保険業の営業というのは消耗品です。イルルの友人も何人か職に困ってやってましたが、家族や友人、親しい人間に保険商品を売ったらサヨウナラです。いわゆるコネ営業というヤツですね。 歩合制ですから、商品が売れなきゃ給料も入りません。

こういった仕事は入社祝い金と称して、入社時に何万円かくれるタイプも多いので、(小銭で釣ってる訳ですね)保険会社に入って即退職を繰り返し、祝い金で儲けるなんていうウルトラCをやってた人もいますw

まとめ

  • まずはホームページを見てみよう
  • 就職四季報を購入しよう
  • 新卒カードは大事に使おう
  • 本気なら実地調査をしてみよう
  • その他ブラック企業の多い業種

あくまで個人の意見です