【雪山人狼】ProjectWinterが面白かった件

『みんなで統一された目的の達成を目指すが、メンバーの中に隠匿された裏切り者が潜んでおり、達成を妨害してくる』というコンセプトのゲームはAmongUsの大ヒットを皮切りに増えてきました。いわゆる人狼ゲームにアクション性を持たせたものですね。

その派生作品であり、SNSで昨今話題になっているのがProjectWinterプロジェクトウィンターです。これは雪山人狼なんて呼ばれたりします。前々から興味はあったんですが、身内に誘われて3回くらいプレイして来たのでその感想です。

2019年2月7日初リリース。2021年10月6日全プラットフォームのクロスプレイ開始。

ゲームの大まかな流れ

いくつか特殊な役職を入れることも出来ますが、基本的には村人であるサバイバーと人狼であるトレイターに分かれて行うチーム戦です。

サバイバーは基盤、燃料、ガラクタを集めて発電機などを修理し救助を呼び、雪山からの脱出を目指します。トレイターはサバイバーを全滅させると勝ちという流れです。

面白いところ

トレイター(人狼)だとバレても即詰みにならない

AmongUsのように投票会議で誰かを除外していくタイプではないので、常にゲームはリアルタイムで動いていきます。サバイバーは『この人が裏切り者だ!』と思ったら直接攻撃して排除するか、追放投票をしてキャビンに入ることが出来ないようにします。

キャビンは料理やクラフトが出来る暖かい本拠地で、トレイターに取ってキャビンに入れなくなることはかなりのデメリットです。常に外でブリザードの猛威に立たされながら活動しなくてはなりませんから。

しかしトレイターは専用のアイテムボックスがいくつか配置されており、ステータスをアップさせるドリンクや焚火セット、武器をたくさん入手することが出来るようになっています。その為、早い段階で追放されても野垂れ死ぬようなことはないようになっています。たまに無実なのに追放されるとキャビンの前で寒さに凍えながら助けを乞うカノッサの屈辱みたいな状況に陥りますw

一般的な人狼ゲームのように、無実のサバイバーに疑惑をなすり付けて追放させるのはかなり難しいように感じましたが、トレイターであることがバレバレでも簡単に詰んだりはせず、それなりに立ち回れるところが面白いと思いました。むしろトレイターはゲームの途中からサバイバーたちと離れて積極的に遊撃するのがおススメなようです。

ゲーム自体から強制的に排斥されることがない

人狼のように強制的にゲームから排除(いわゆる処刑)する方法がないので、チーム間の戦いは直接戦闘、または地雷などのトラップで行われます。昔流行ったSPY×SPYというゲームに似ていますね。このように全体会議が存在しないので、多数決によってゲームから排斥されるシチュエーションが発生しないところがストレスの溜まりにくいところじゃないでしょうか。例えサバイバー側で追放されてしまっても、物資が十分であればキャビンの外で生き抜いていくことは出来ますからね。(かなりツライですけど)

疑われて攻撃されてしまうことはあるかもしれませんが、それに対しても『逃走する』『抵抗する』といった能動的な対抗手段が存在するところが長所。口下手でも立ち回りが上手ければ何とかなったりします。人狼ゲームだと口頭で反論するしか手段がありませんからね。私がトレイターバレバレでサバイバーの集団に襲われた時は、野生の熊をなすり付けて何とか逃走に成功しましたw

ボイスチャットデザインが秀逸

このゲームは公式でもおススメされている通り、ボイスチャットが中心となります。そのボイスチャットの仕組みがとてもよく出来ており、『近くにいる人の声だけが聞こえる』という作りになっています。誰かが発言すると遠くならば小さく、近ければ大きく声が聞こえ、方角も大体分かるようになっています。

これが『雪山で声を掛け合っている』という臨場感をとても高める要素になっておりまして、一人ぼっちになった時に仲間の声が聞こえてくるとホッと安心したり、トレイターの時に地雷に引っ掛かったサバイバーの悲鳴を聞いてニンマリしたり。実によく出来た要素です。トランシーバーというアイテムがあれば、遠くの相手とも会話することが出来るようになるので連携が楽になりますが、『誰に持たせるか?(信用出来るか?)』というジレンマがこれまたいいアクセントになったり。

AmongUsがまだ日本語未対応だった時期なんかはDiscordを使って常にみんなで通話しながら遊ぶのが主流でしたが、これだとインポスター(人狼)側がゲーム中ずっとウソをつき続けなきゃいけないのでかなりシンドイ。また村人(クルー)側も常に情報連携が容易なのでこれまた強い。その点、プロジェクトウィンターは上手い具合に情報連携を難しくしているのが実にいいところ。(ずっと喋ってるの疲れるし…)

ギリギリの状態で『おーい、こっちだよ』と脱出ポイントから呼ぶ声が聞こえた時の嬉しかったこと!

サーバーの動作が軽快

ややシステム的な話になりますが、サーバの動作が軽快なのも良いところだと思いました。最大で8人も集まりますから、動作のラグがないか心配でしたが全くの杞憂。こういうアクション性のあるゲームだと数コンマのラグが命取りになったりしますからね。ボイスチャットのやり取りも上手く聞こえないということはなく、スムーズでした。(ヘッドホンを使用してましたが)

トレイターの攻撃手段が豊富

人狼ゲームだと村人に疑惑をなすり付けて処刑、AmongUsだとこっそり殺害か同じように疑惑を向けて追放という手段しかありませんが、ProjectWinterはトレイター側で取れる攻撃手段が実に豊富。銃火器を使って狙撃したり、食べ物に毒を混ぜたり、地雷を仕掛けて嫌がらせしたり。

アクションゲームがあまり得意でない人でも、トラップを仕掛けたり重要な物資を盗んでポイ捨てするといった間接的な攻撃手段が多彩なところが良いところに感じました。ウソや戦闘が苦手な人でもトレイターを引いて憂鬱になりにくいと思います。

特殊な役職が豊富に存在する

AmongUsはインポスターとクルーしか存在しませんが、プロジェクトウィンターは様々な役職が存在し、自由にレギュレーションを組むことによってより複雑なゲームを楽しむことが出来ます。

例えば一人で保管庫に立ち入ることが出来る為、単独行動向きなハッカー。本来トレイターしか使えないハッチを使うことが出来るスカウトなど。

これによりトレイターの時、『1人で行動してるから怪しい!』って疑われても『オレはハッカーだから』と抗弁したり、ハッチを使っているところを目撃されても『オレはスカウトなんだよ』と言い逃れしたりすることが出来ますね。AmongUsだとハッチ使ってるところ目撃されたら一発アウトなので。この辺も良く考えられてるところだと思います。

ダメなところ

野良の民度がヤバそう

私は身内だけ集めて8人で遊ばせてもらいましたが、このゲーム、残念なことに野良の民度がヤバそうです。Steamのレビューなどで低評価を付けている人は軒並み野良で嫌な想いをした人ばかり。こういうお互いを疑い合うゲームというのは自然と喧嘩になりやすく、どうもマナーの悪いプレイヤーが多いみたいです。まあ、この辺の感覚は体験しなくても他の人狼系ゲーム経験者なら容易に想像出来ますね。

野良はどうもおススメ出来ないらしい。

死んだ後はヒマ

人狼系ゲームの宿命ですが、死亡してしまった後は幽霊になってゲームが終わるのを基本的に眺めているだけです。一応、アイテムを拾ったり(通常より時間がかかる)、周囲の温度を温めて仲間をサポートしたりといったことは出来ますので完全にヒマになるワケではありませんが、開始早々に死んでしまうと基本的に苦痛だと思いますね。

上級者と初心者のヒラキが大きそう

私が誘われてプレイした時はみなさん初心者だったので、ほっといてもサバイバーが狼や熊に襲われて死んでしまうといったアクシデントもあり和気あいあいとプレイ出来ましたが、ある程度経験を積んで行動が最適化されると初心者が上級者に勝つことは相当難しそうです。この辺もSteamのレビューやプレイ動画をアップしている上級者の動きを見ると良く分かります。

ゲームデザイン上、しょうがない部分だとは思いますが初心者にはライフにハンディキャップを付けられるといった細かなカスタム設定が欲しいところですね。

総評

所詮はAmongUsのパクリかな?という印象だったプロジェクトウィンターですが、遊んでみたところ戦略性に富んでいて非常に面白いゲームに仕上がっていました。

しかし身内で8人集められる人以外にはいまいちおススメ出来ないのでは、という感想です。野良は魔境っぽい。でも逆に、身内で固められる人にとってはまさに神ゲーなんじゃないかと思います。

それだけ予定合わせて集めるのはなかなか敷居が高いですが、お値段も約2000円とお手頃なので、気になる方はお友達を誘い合わせて是非プレイしてみて下さい。『イルルと遊んでみたい!』って人も気軽に声をかけて下さいね。プロジェクトウィンターはPC,Xbox,Swich,PS4,PS5で配信中です。

以上、プロジェクトウィンターのレビューでした。

寒いのはニガテなんだわさ!