消費税増税で身近なものはどう変わる?
便乗値上げはイヤですなぁ~
本日の10月1日より、消費税が8%から10%に増税されました。同時に、低所得者の生活を守る為に、アルコール類を覗く飲食物の消費税を8%に据え置く『軽減税率』も施行されました。平成元年から3%で始まった消費税は、わずか30年間で10%まで増大したワケです。
5%→8%の時は税込表示義務化が緩和されたのもあって、いわゆる『便乗値上げ』が騒がれましたが、今回はどんな感じになるんでしょう。"テイクアウトなら8%だが、店内で食べれば10%"という大変ややこしい軽減税率の導入も相まって、大手チェーンも色々苦労しているようです。
本日は身近なものを例にして、各企業の対応、我々への生活の影響を見てみようと思います。
※ちなみに、増税前の段階で本体価格を明示していないものはイルルの方で勝手に計算しています。
牛丼チェーン
吉野家
牛丼(並盛り)
- 増税前 380円(本体価格352円+8%)
- 増税後 店内 387円(本体価格352円+10%)
- 増税後 持ち帰り 380円(本体価格352円+8%)
うな重(一枚盛り)
- 増税前 790円(本体価格732円+8%)
- 増税後 店内 866円(本体価格788円+10%)
- 増税後 持ち帰り 851円(本体価格788円+8%)
純粋に店内で食べた場合のみ、2%の増税分が適用され値上がり。持ち帰りの場合は影響なし。関係ないけどライザップ牛サラダとか注文してる人見たことないなぁ…。
ていうかちょっと待て、うな重の値段は見間違いか?吉野家のうな重って790円だったよね?
今日メニュー表見ると何度見ても788円(+税)って書いてあるんですけど。
この分だと他のメニューもヤバイ値上げの仕方してそうなので、見間違いかどうかお客様相談室に電話して聞こうと思いましたが、「後ほどおかけ直しください」でした。
松屋
プレミアム牛めし(並盛り)
- 増税前 380円(本体価格352円+8%)
- 増税後 店内 380円(本体価格346円+10%)
- 増税後 持ち帰り 380円(本体価格352円+8%)
牛めし(並盛り)
- 増税前 320円(本体価格297円+8%)
- 増税後 店内 320円(本体価格291円+10%)
- 増税後 持ち帰り 320円(本体価格297円+8%)
主力商品のプレミアム牛めし、牛めしは店内販売価格を値下げすることによって価格据え置きに。他のメニューについては価格変更を検討しているとアナウンスあり。しかし、今のところ松屋は2018年4月の値上げ後からどのメニューも価格は変わっていないように見えます。ニュースリリースも出ていません。まだ調整中なのかもしれませんね。
すき屋
牛丼(並盛り)
- 増税前 350円(本体価格325円+8%)
- 増税後 店内 350円(本体価格319円+10%)
- 増税後 持ち帰り 350円(本体価格325円+8%)
牛皿定食(並盛り)
- 増税前 540円(本体価格500円+8%)
- 増税後 店内 560円(本体価格509円+10%)
- 増税後 持ち帰り 牛皿定食は持ち帰り不可
すき屋も牛丼はお値段据え置き。しかし定食などの一部メニューは便乗値上げ。最大で30円値上がりしたメニューもあるようです。割と頑張っている印象ですが、イルル的にはカレーの大盛りが+10円なのが痛いですね。
すき家は分かり易い価格改定表を公表しているので、こちらも参考にして下さい。
引用元:すき家公式サイト( https://www.sukiya.jp/news/2019/09/20190925.html )
ファーストフード
マクドナルド
ハンバーガー
- 増税前 100円(本体価格93円+8%)
- 増税後 店内 110円(本体価格100円+10%)
- 増税後 持ち帰り 110円(本体価格102円+8%)
ビッグマック
- 増税前 390円(本体価格362円+8%)
- 増税後 店内 390円(本体価格354円+10%)
- 増税後 持ち帰り 390円(本体価格362円+8%)
マクドナルドは牛店チェーンらと対照的に、ハンバーガーやポテトなどの主力商品を10円値上げし、その他の7割方のメニューは本体価格を下げて値段据え置きという対応です。また、価格を調整することで店内で食べる値段と、テイクアウトの値段を同じにしています。顧客に分かり易くする為の他、店員が混乱しないようにという目的もあるんでしょうね。
ケンタッキーフライドチキン
オリジナルチキン
- 増税前 250円(本体価格232円+8%)
- 増税後 店内 250円(本体価格228円+10%)
- 増税後 持ち帰り 250円(本体価格232円+8%)
オリジナルチキンセット
- 増税前 790円(本体価格732円+8%)
- 増税後 店内 800円(本体価格728円+10%)
- 増税後 持ち帰り 800円(本体価格741円+8%)
ケンタッキーもマクドナルドと同じく、持ち帰りと店内で食べる場合の価格を同一に調整。(軽減税率とは一体…うごごごご)
人気の単品メニューは増税前と同一価格になるようにしましたが、セットメニューやカーネルクリスピー、甘くて美味しいビスケットなどは残念ながら10円~20円の値上げとなりました。
しかし、税込価格が高い商品は本体価格だけ見るとむしろ値下げになっているんですね。そういう意味ではまだ良心的かなと思います。
モスバーガー
モスバーガー
- 増税前 370円(本体価格343円+8%)
- 増税後 店内 377円(本体価格343円+10%)
- 増税後 持ち帰り 370円(本体価格343円+8%)
オニポテセット
- 増税前 440円(本体価格408円+8%)
- 増税後 店内 448円(本体価格408円+10%)
- 増税後 持ち帰り 440円(本体価格408円+8%)
モスバーガーはテイクアウトと店内飲食の価格統一はせず、純粋に増税を受け入れた格好になります。その為、店内で食べた場合のみ2%分の増税分がかかってきます。本体価格自体は特に値上げしたりしないようですね。この機会に便乗して値上げしよう、という企みはないようですが、一円単位で支払うのが面倒そうですねぇ~。
公共機関の運賃
電車(JR東日本)
普通運賃(単位・円)
増税前 | 増税後 | |||||
㌔ | きっぷの運賃 | IC運賃 | きっぷの運賃 | IC運賃 | ||
1 | ~ | 3 | 140 | 144 | 150 | 147 |
4 | ~ | 6 | 190 | 185 | 190 | 189 |
7 | ~ | 10 | 200 | 195 | 200 | 199 |
11 | ~ | 15 | 240 | 237 | 240 | 242 |
16 | ~ | 20 | 320 | 324 | 330 | 330 |
21 | ~ | 25 | 410 | 410 | 420 | 418 |
26 | ~ | 30 | 500 | 496 | 510 | 506 |
31 | ~ | 35 | 580 | 583 | 590 | 594 |
36 | ~ | 40 | 670 | 669 | 680 | 682 |
41 | ~ | 45 | 760 | 756 | 770 | 770 |
46 | ~ | 50 | 840 | 842 | 860 | 858 |
51 | ~ | 60 | 970 | 972 | 990 | 990 |
JRについては国土交通省からのお達しもあって、結構ややこしいことになってます。基本的には切符は10円単位で値上げ、IC料金は1円単位まで値上げになっているみたいですね。
ちなみに、JR西日本や私鉄の方も調べてみましたが、ほぼ同じような状況でした。
日本交通(タクシー)
タクシー運賃
増税前 | 増税後 | |
初乗り運賃 | 410円 | 420円 |
加算運賃 | 237Mにつき80円 | 233Mにつき80円 |
初乗り運賃が一律10円の値上げとなり、その後の加算も距離が少しだけ短くなったようです。分かり易いように配慮したとはいえ、2%の増税で10円も値上がりしてしまったワケですね。終電逃した後の対応に困りそうです…。
NEXCO(高速料金)
- 増税前 [(24.6円×利用距離km+150円)×1.08]
- 増税後 [(24.6円×利用距離km+150円)×1.10](四捨五入で10円単位)
便乗値上げはありませんが、純粋に増税分の負担が高速道路料金に転嫁されます。一般利用者には大したことはなさそうですが、運送業を営む法人などはダメージが大きそうです。尚、上記はNEXCO三社(東日本、西日本、中日本)で共通です。
その他食品関連
スーパーで買えるような食料品は10月1日の段階で便乗値上げするようなことはなさそうです。また、これらの食料品は軽減税率の対象の為、今まで通りの価格で購入することが出来ます。
しかし、各企業とも今年からかなり値上げを断行しています。
例えば味の素は4月からコンソメや塩を7~11%値上げしており、6月からは日清食品がカップヌードルなど4%~8%値上げ。カルビーのポテトチップスも2.9〜6.3%の値上げ。イルルが大好きハーゲンダッツも最大85円の値上げ。
これらは直接明言されていませんが、消費税増税を受けて原材料費の増加などに伴う転嫁と見ていいでしょう。その為、今年からなんか食べ物高くなったな、と感じる人も多いんじゃないでしょうか。
まとめ
消費税増税を受けて、庶民の生活は大きな影響があるように思います。軽減税率は導入されているものの、結局のところ軽減税率対象の食料品なども大きな値上げが起こったと言っていいでしょう。
基本的に家庭の支出が順当に増えれば経済は上向きになりますが、あまり支出が増えると買い控えや信用の低下により消費が冷え込んでしまいます。
また、今回の支出の増加は税によるものなので、結局のところ潤うのは国庫だけです。あとは、国がその財源(2兆円ほどの税収と予想されています)をどのように使うかですね。
10月から3~5歳児の幼児教育・保育が無償化されるなど、少なからず国民の福祉に還元されるところはあるようですが、マルクス主義のイルルとしては所得格差の是正にも力を入れて欲しいものです。
所詮、税制を作っているのはブルジョワ層…後は分かるな?
最近のコメント