【まとめ】オンラインゲーム界隈で起きた大事件

オンラインゲーム内・外で起きた事件をまとめてみた。

ゲームの中で起きた事件

アレキサンドライト終身刑

数々の廃人伝説を生みだした『ファイナルファンタジー11』で起きた事件。

当時実装された『任務、任務……また任務!』というクエストは、クリアするとミシックウェポンと呼ばれる強力な武器を入手することができる魅力的なものだった。

しかしその達成条件が尋常ではなく、内容はアレキサンドライトというアイテムを5万個集めて来いというもの。

一回の収集(数日に一回しか挑戦出来ず、1時間以上かかる)で手に入るアレキサンドライトが10個前後だった為、到底現実的ではなく、ネタとして以下の表がファンの間で作られた。

アレキサンドライト終身刑表

ひ孫の世代へ   1日1個ペース・・・5万日(約137年)
孫の世代へ    1日2個ペース・・・2万5千日(約69年)
孫の世代へ    1日3個ペース・・・16,666日(約46年)
息子世代へ    1日4個ペース・・・12,500日(約34年)
息子世代へ    1日5個ペース・・・10,000日(約28年)
中年まで乙    1日6個ペース・・・8,333日(約23年)
若くはない    1日7個ペース・・・7,142日(約20年)
子供が青春時代 1日8個ペース・・・6,250日(約17年)
子供が反抗期   1日9個ペース・・・5,555日(約15年)
10個でもこれかよ1日10個ペース・・5,000日(約14年)

事態を重く見た運営会社は入手条件を緩和し、必要個数も5万個から3万個に引き下げた。これによりミシックウェポンをゲット出来るプレイヤーも少しづつ増えていったが、廃人レベルのやり込みが必要なのは相違ない。

Corrupted Bloodコラプテッドブラッド事件

World of Warcraftワールドオブウォークラフトというオンラインゲームの中で起きた事件。

とある上級ボスがコラプテッドブラッドという、いわゆる『毒攻撃』を仕掛けてくるのだが、この攻撃は一度食らうと『高い確率で近くのキャラに感染する』という性質を持っていた。

そのボスと渡り合えるようなキャラクターであれば大した被害ではないのだが、本来はボス出現地域内でしか有効でないはずが、開発側のミスからこのコラプテッドブラッドが地域外に流出。

NPCにも感染する(NPCは死亡しないので無症候キャリアーと化す)という性質を持ち合わせていたこの毒は、有効時間がわずか3秒程度であるにも関わらず、あっという間に世界中に広がり、毒に耐えられない低レベルプレイヤーが死屍累々と化す大パニックになった。

人の集まる街を捨て田舎に逃げる者、自身の治癒魔法で救助に奔走する者、面白がって感染を拡大させようとする者など、プレイヤー側の反応は様々。

結局、運営会社のブリザードはサーバのリセットと修正パッチの適用によってこの事態を解決した。

この事件は多数の疫学者によって注目され、ゲーム内の出来事であるにも関わらず感染爆発モデルの事例として研究されている。

B-R5RBの大虐殺

EVE Onlineイヴオンラインという、宇宙開拓がモデルのSFオンラインゲームで発生した事件。

各星系を縄張りとして、2つの大きなギルド(プレイヤーの集まり)が宇宙の覇権を争っていたところ、一人のプレイヤーがNPCに税金を払い忘れてしまい、双方にとって重要な拠点となる領地がガラ空きになった。その星系の名前がB-R5RBである。

それに気づいたギルドは領地を奪う為に戦争となり、21時間にも及ぶ戦いが繰り広げられた。この戦いはオンラインゲーム史上最大規模のPvPであり、2,670人のプレイヤーが参加した。

一機作る為に数週間を要するタイタン級戦艦75隻が失われ、小型の艦船に至っては数千機が轟沈した。各種の損害費用をリアルマネーに換算すると3000万円以上となる。

運営会社はこの出来事に感銘を受け、B-R5RBに浮かんだ沈没船の残骸の記念碑を作り、『ティタノマキア』と名付け保存することにした。

血のバレンタイン事件

オープンβテスト中だったMaster of Epicマスターオブエピックというオンラインゲームで起きた事件。

2005年2月14日、『オリアクスとルーチェの 恋のドキ☆ドキAttack! バレンタイン大作戦』というイベントが運営主導で実施された。

このゲームはPvP(他人を攻撃)可能な武装地域と非武装地域が完全に分かれており、武装地域には主に『他人を殺すことが好き』な血の気の多いプレイヤーが生息する。要は住み分けである。

そしてこのイベントの主旨はざっくり表現すると『非武装地域の子羊ちゃんたちが武装地域の狼に愛を届けに行くぜ!』という内容だった。

非武装地域のプレイヤーたちがGMゲームマスターに引率され、武装地域に到着。その数は約400人ほどだった。そこでチョコレート作りをした後、GMから武装地域の本拠点へイヤリングを取りに行くよう指示を受けた。このイヤリングはイベント限定の特別アイテムだった。

しかし指示を受けた直後、武装地域の好戦的なプレイヤーたちによる一方的な虐殺が始まり、PvPの経験がなく武器も持たない非武装地域のプレイヤーはただひたすら蹂躙され、ほぼ全員殺された。

これはGMの予想に反した出来事であり、後のインタビュー記事では『(武装地域のプレイヤーたちが)もう少し手加減してくれると思っていた』と語っている。

つまるところ、頭の中がハッピーセットな運営による完全なミステイクであり、これによって心に深い傷を負ったライトユーザーの引退が続出した。

イチローオンライン事件

和製オンラインゲームとして傑作だったファンタシースターオンラインの続編であるファンタシースターユニバースで起きた事件。

前作が好評であった為、プレステ2やパソコンなどで発売した本作も多くのユーザーが発売日直後に殺到。その数は実に、運営の予想するユーザー数を10倍も上回ることになった。

結果、サーバーの負荷許容量を完全に超えてしまい、どれだけ待ってもログイン出来ない(=ゲームが始められない)という事態が発生。この時のエラーコードがNo51だった為、イチローの背番号を取ってイチローオンラインと揶揄された。

運営の対応も後手後手で緩慢であり、『しばらくはオフラインモードで遊んでください』とコメントするも、パソコン版は一旦ログインしないとオフラインモードが始められない仕様だった為、どう頑張ってもゲームをすることが出来ないという事態に。定価 6,800 円のパッケージで発売しておいてこれである。

無理やりサーバを調整しようとして対応した結果、『アイテム増殖バグ』や『キャラが他のプレイヤーと入れ替わる』、『自室から出ることが不可能』といった深刻な不具合が続出。

最終的に運営は発売してから数日後にサーバの完全リセット(全てのキャラクター消去)と一ヵ月の負荷試験を断行すると発表。つまりユーザーからすれば、お金を払っての有料βテストが始まった。

多くのユーザーたちは怒りと落胆にまみれ、PSUは一週間後にワゴンセール品となってしまった。

ガチャ不正操作疑惑で株価がドッカンバトル

アカツキという企業が運営する『ドラゴンボールZドッカンバトル』というソシャゲで起きた事件。

2007年11月14日のメンテナンス後、ガチャの出現キャラ確率表記がユーザーごとに異なるという不具合が発生した。

これについてアカツキは『端末上のメモリを管理するプログラムに誤りがあり、その影響で、ユーザーごとに異なる内容が表示されてしまっていた』と発表。あくまで表示上の問題であり、実際のキャラ排出確率には一切関係がないと説明した。

しかしこれについて『裏側でユーザーごとに確率を操作していたのが表に出てしまったのではないか』とプレイヤーから疑惑が寄せられ、アカツキの株価は翌日にストップ安となった。

ゲームの外で起きた事件

ガンダムオンライン致傷事件

ガンダムオンライン、通称ガンオンが発端で起きた事件。

2013年11月、さいたま県警は知人男性(32)を包丁で刺したとして殺人未遂の疑いで、さいたま市岩槻区小溝、無職斎藤純一容疑者(31)を現行犯逮捕した。知人男性は重傷を負ったが、幸い命は助かった。

2人はゲームセンターで知り合った友人同士であり、それぞれ自宅で音声チャットをしながらガンダムオンラインを楽しんでいた。ガンダムオンラインは好きなモビルスーツを選んで他人と戦うゲームである。

しかし、『使えない』『下手クソ』などと知人男性から煽られ、斎藤容疑者が激怒。自宅から包丁を持ち出して相手の家に乗り込んだというワケである。

ガンダムオンラインのプレイヤーは徒党を組んでゲーセンを占拠したり、大きな奇声を発することが多い為、『動物園』と揶揄されることもある。

IMAGINE顔焼き事件

ソシャゲ『女神転生IMAGINE』で起きた事件。

10万円をガチャにつぎ込んでもレアが出ず、運営会社に訴訟を起こした人物がいた。結果から言うと敗訴したのだが、当時はまだガチャの当選確率の表示義務がない時代であり、様々な疑惑があった。

そこで腹を立てて攻撃衝動が自分に向いたのか、訴訟の経過を載せていたブログに自分の顔を焼いた画像をアップロード。他のプレイヤーたちは驚愕を受けた。

その後、その人物は突如『和解しました』とだけ言い残し、ブログの全記事を削除。

今の基準で言えば『たった10万円で…』と感じるが、なんとも後味の悪い事件である。

尚、IMAGINEは『FXの口座を開設するとレアアイテムをプレゼント』という企画を打ち出したり、課金アイテムが消失したのに何の補填もしないなど、クソ運営として有名である。

ノーステイル夜逃げ騒動事件

『ノーステイル』は、韓国のゲーム会社Entwellによって製作されたオンラインゲーム。種別としてはMMORPGに分類される。

日本国内ではゲームヤロウ株式会社という企業によってサービスが展開され、4年間ほど稼働しており、ユーザーからは概ね好評であった。

しかし2013年12月1日にログイン中のユーザーが一斉にサーバから切断され、以降一切のログインが出来なくなる。翌年2月には何の告知もないまま公式サイトも消滅。

不審に思ったユーザーがゲームヤロウ株式会社の住所を検索するとそこは空き店舗となっており、完全にもぬけの殻となっていた。いわゆる夜逃げである。

この事態にプレイヤーたちは怒りを通り越して困惑。同年5月にはゲームヤロウ株式会社の破産開始決定手続きが行われ、ノーステイルは事実上ゲームごと消失した。

HDDハードディスクバーストアタック

大人気の『ファンタシースターオンライン2』で起きた事件。

パソコン向けに配布されたとあるアップデートプログラムにおいて、『HDDの中身を一部強制的に消去する』というとんでもないバグが潜んでおり、パソコン自体が動作不能になるケースが発生した。

幸いにも稼働プレイヤーの少ない平日昼間に配布されたプログラムであり、すぐに運営が修正を行ったが、それでも2万人を超えるプレイヤーに影響が出た。

本来であればサービス終了となるほどの大事件であったが、運営母体がセガだったことでなんとか持ち直し、被害者には金券5000円を一律配布し、故障等については個別相談という対応を行った。

誤りとはいえ、とんでもないコンピューターウイルスを作り出してしまったようなものである。

人狼殺 殺人事件

スマートフォン用ゲームアプリ『人狼殺じんろうさつ』で発生した事件。

ゲームをきっかけに知り合い、オフ会を通じて交際をしていた齋藤涼介容疑者(25)は、石澤結月さん(20)と恋愛トラブル起こし、新潟まで押しかけて包丁で刺し、殺害。

その後逃走を図ったがすぐに全国指名手配され、間もなく警察に逮捕された。

齋藤容疑者は同ゲームのプレイヤーからは『直接会うとおとなしいが、ゲーム中に突然怒鳴ったり、口調を荒げるところがあった』と評されていた。(人狼殺は肉声を通じてコミュニケーションをするゲームである)

また、一度別れた石澤さんに交際中のデート代の返還を要求したり、石澤さんがパパ活をしている疑惑があるとして、嫉妬しプライベートのLINE記録をツイッターに『晒す』一面もあったという。

齋藤容疑者は逮捕から数か月後、収監先で腎不全を起こし死亡した。

ネットとリアルの境界が曖昧になるとこういう事件も増えていくんでしょうねぇ