【2024年】富士山の山小屋が予約できない!対策は?
夏富士登山をするために山小屋の予約を取ろうと思ったら全然取れなくて面食らったという話。
競争率はアイドルのライブチケット並み
友人4人と7月20日~21日にかけて富士山の登山計画を立てた。
せっかくなら山頂でご来光も拝みたいので、そのために予定していたのが、八合目トモエ館への宿泊。
4人用の個室があり、山頂まで1時間30分程度なので、一泊するには最適な場所だ。
ウェブサイトを参照すると、予約開始は5月7日のAM0時"頃"とのこと。
この"頃"という表記が気になったので、少し早めの23:40分にアクセスしてみたのだが、返ってきたのは502 Bad Gateway。これは簡単に言うと『サーバにアクセス集中し過ぎてサイトが見られません』というエラーだ。
嫌な予感がして何度か間隔を置いてアクセスし、やっと開いたと思ったらほぼ全部埋まっていた。
八合目トモエ館は平日も含めてほとんどびっしり「予約済」の状態だった。この時23:44分。
Xの情報によると23:30からフライング予約出来たらしいので、約14分間で全て予約済になったことになる。
まるで超人気アイドルのライブチケット並みの競争率だ。劇団四季のチケットなんかより遥かに競争率が高い。
他に八合目で宿が取れないか探してみるも、ほぼ全て埋まった状態。
七合目トモエ館はまだガラガラだったので、仕方なくそちらで予約を取ることにした。
しかし予約をするにも日程を選んで、個人情報を入力して…と段階を踏むのだがとにかく502エラーが頻繁に発生するのでめちゃくちゃ苦労した。
ネット予約に慣れてないような方には到底無理だろう。
ちなみに翌朝の08:00頃に改めて参照すると、七合目トモエ館もほとんど埋まっていた。
富士登山の人気は"急激に"高まっている
私が世間知らずなだけで、そもそも毎年こんな状態なのかな?と思い、Wayback Machine(ウェブサイトの過去のアーカイブを参照できるサイト)で調査してみた。
そしたらどうもそうでもないらしい。こちらは2022年5月27日時点の予約状況である。
八合目トモエ館はさすがに埋まりつつあるが平日にほんの少し空きがある。
七合目トモエ館は土日でもまだ充分予約が取れる状態だ。
コロナの影響では?という点も考慮して、少し前にさかのぼり、アーカイブが残る2016年も調べてみた。
それなりに埋まってはいるが、山開き一ヵ月前でもまだ空きがある状態だ。
今年に比べると大分気軽に予約できる状態だったことがわかる。
ついでに去年の2023年6月7日も調査すると2~3部屋を残して埋まっている状態だったので、総合するとここ数年で急激に富士山の人気が高まったといえよう。
特に、予約開始から数時間で全日程が埋まった今年は、それ以前と比較して明らかに異常である。
予約が激増した理由
まず考えられるのは外国人による観光客の増加だ。
日本政府観光局(JNTO)が発表した数値によると、2024年初頭の訪日客は単月で300万人を超えた。
それでもコロナ前に比較すると8割程度だが、もう一つ考えられる要因として、2023年に富士山が世界文化遺産登録から10周年を迎えた契機という点。
これにより、海外からの"熱気"が大きく高まっているのだと考えられる。
そもそも富士山は世界的に有名な山である。
Top 10 most famous mountains in the worldというようなカテゴリで検索するとすぐに富士山が出てくる。
ゴッホやモネ、セザンヌといった巨匠がインスピレーションを受けた美しい景色を堪能することができ、更に世界の山々に比べると比較的登頂しやすい。また、大阪~京都という外国人にとっての『ゴールデンルート』の中間にあり、アクセスもいい。
極めつけは2年ほど前からグイグイ勢いを伸ばしている歴史的な円安である。
今、1,000中国元を換金すると21,000円もらえる。3年前は16,000円しかもらえなかった。
海外旅行をしたことがあればわかるだろうが、今日本は『めちゃくちゃオトクな国』なのである。
富士山を毎年登っているような方のブログを見ると、『新宿→五合目までのバスは半分以上が外国人』『山小屋は外国人で埋め尽くされている』といった情報もある。
一応断っておくが、決して外国人を敵視しているワケではないので悪しからず。
確実に予約するためには
各種観光企業が展開しているツアーを申し込むのが一番だと思われる。
いくつか調べるとまだ予約には空きがあり、バス&山小屋泊でプラン料金は2万円程度だった。
山小屋の宿泊料金は相部屋で大体1万円前後。バス(富士スバルライン)は往復で7,000円。
自分で手配するのとツアーを申し込むので3,000円しか変わらないので、確実に富士登山を楽しみたいならツアーを利用するのがいいだろう。
『富士山 ツアー』などで検索すれば容易に調べられる。
ただ、他の登山客と一緒に行動するのを強いられる、好きな山小屋を選べない、バスの時間を厳守しなければならない、といった制約が生じるので注意。詳しくは各旅行サイトを参照のこと。
というか、海外含めたツアー会社が手広く展開しているのも山小屋予約がひっ迫している一因だと思う。
蛇足:山小屋の値上がりがすさまじい
諸々の事情があると思うので決して批判する立場ではないが、山小屋の値上がりもここ数年はすさまじい。
富士吉田ルートの各山小屋の料金を羅列してみた。
年度 | 山小屋 | 料金 | 上昇率 |
2016 | 鎌岩館 | 9,400 | – |
鳥居荘 | 9,000 | – | |
トモエ館 | 9,300 | – | |
白雲荘 | 9,300 | – | |
御来光館 | 8,500 | – | |
2019 | 鎌岩館 | 8,800 | -6% |
鳥居荘 | 9,000 | 0% | |
トモエ館 | 9,300 | 0% | |
白雲荘 | 9,300 | 0% | |
御来光館 | 8,500 | 0% | |
2021 | 鎌岩館 | 12,500 | +42% |
鳥居荘 | 13,200 | +46% | |
トモエ館 | 10,000 | +7% | |
白雲荘 | 13,500 | +45% | |
御来光館 | 13,500 | +58% | |
2024 | 鎌岩館 | 14,500 | +16% |
鳥居荘 | 13,200 | 0% | |
トモエ館 | 13,000 | +30% | |
白雲荘 | 15,000 | +11% | |
御来光館 | 15,000 | +11% |
ご覧になるとわかる通り、2019年以前はほとんど据え置きの価格で経営していたが、ここ3年間の間に50%ほど値上がりしているのだ。
人件費や光熱費の高騰によるものであると推測されるが、このまま推移すれば2025年には一泊2万円になってもおかしくない。確実に予約は埋まるのだから。
富士登山はますます富裕層に限られたアクティビティになっていくことだろう。
マジで争奪戦なんだわさ
最近のコメント