心理学:パーソナルスペースの話

2019年10月18日

まあ当たり前っちゃ当たり前だよね

皆さんはパーソナルスペースという言葉を聞いたことがあるでしょうか。最近ではテレビとかでも聞くようになったので、知ってる人も多いかもしれません。
パーソナルスペースについて学んでいれば、意識しないうちに人を不快にさせてしまうようなケースを避けることが出来るかもしれません。多分。

パーソナルスペースとは

ものすごく簡単に言うと、『他人を入れられる距離』ということです。距離というのは心の距離でなく物理的な距離のことです。読者の皆さんも、知らない人が急に顔を近づけて来たら怖いっていうか腹立つっていうか、とにかく不快でしょう。

1966年、アメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホールは、パーソナルスペースを以下のように定義しました。

密接距離
ごく親しい人に許される空間。近接相 (0 – 15 cm)
抱きしめられる距離。
遠方相 (15 – 45 cm)
頭や腰、脚が簡単に触れ合うことはないが、手で相手に触れるくらいの距離。

個体距離
相手の表情が読み取れる空間。近接相 (45 – 75 cm)
相手を捕まえられる距離。
遠方相 (75 – 120 cm)
両方が手を伸ばせば指先が触れあうことができる距離。

社会距離
相手に手は届きづらいが、容易に会話ができる空間。近接相 (1.2 – 2 m)
知らない人同士が会話をしたり、商談をする場合に用いられる距離。
遠方相 (2 – 3.5 m)
公式な商談で用いられる距離。

公共距離
複数の相手が見渡せる空間。近接相 (3.5 – 7 m)
2者の関係が個人的なものではなく、講演者と聴衆と言うような場合の距離。
遠方相 (7 m -)
一般人が社会的な要職にある人物と面会するような場合におかれる距離。

引用元:wikipedia

日本社会におけるパーソナルスペース

このパーソナルスペースというものは、国家や民族、地域性によって多少異なります。例えばロシア人だったら挨拶代わりにハグしたりしますが、日本人にとっては知らない人と突然ハグするのはちょっと抵抗がありますよね。

また、一般的に男性より女性の方がパーソナルスペースが狭く、内向的な性格の人間は更にパーソナルスペースが狭くなる傾向があります。

まとめると日本人のパーソナルスペースは大体こんな感じ。

  • 50cm以下…家族や恋人など、ごく親しい人以外には不快感を感じる距離。
  • 50~80cm…手が届く距離。一般的な友人などにだけ許される範囲。
  • 80~350cm…親しくない相手(会社の取引先とか)と会話するような距離。
  • 350cm以上…例えば大衆の前で演説する時に、不快感を最低限感じない境界。

パーソナルスペースを意識して人と接しよう

皆さんは、満員電車で急に怒り出すような人を見たことがないでしょうか。人気のお店に行列が多数出来ているようなケースでもそうですが、強制的に赤の他人と距離を詰められるようなシーンでは、人は強い不快感を感じます。
エレベーターを呼んだものの一人しか乗れないほどギュウギュウ詰めで、「あ、次で乗ります」ってスルーした経験、あるでしょ?

好きな相手とはベンチで隣に座ってみたり、つい距離を詰めたくなりますが、残念ながら相手があなたに気を許してない場合は、ただただ不快感を与えているだけかもしれません。よく取り沙汰されますが、男性が一方的に好きな女の子の頭をポンポンするヤツ、あれなんかも絶対やっちゃいけない行為です。(相手がまんざらでもなければいいんですけど)

逆に言えば、男女問わず自分のパーソナルスペースにズンズン近づいてくる人間は、あなたに好意を持っているということになります。ただ、この行為には『攻撃』の意味合いがあるケースもあるので、一概にそうとも言えませんが。

『知らない人が近づいてくると不快』ってのはまあいちいち説明しなくても当然なんですが、なんとなく心理学のパーソナルスペースのお話でした。

オレの背後に近寄るな