【ネタバレなし】『天穂のサクナヒメ』レビュー
次回作が楽しみな一本でした
稲作ゲーとしてSNSで話題になった天穂のサクナヒメ(PS4版)を全クリしました。ネタバレ無しでレビュー記事を書いてみたいと思います。
引用元:https://dengekionline.com/articles/53309/
どんなゲーム?
主人公のサクナヒメを動かし、稲作パートとアクションパートに分かれて進めるゲームです。稲作パートは農林水産省のホームページが攻略本と言われるほど本格的な内容で、米作りの基礎から一年をかけた収穫までを楽しめる作り。
一方、アクションパートは神であるサクナヒメが農具を武器に、ゲームの舞台であるヒノエ島に巣食う鬼を退治しに行く作り。それぞれのステージは小さくまとまっていますが、全体でかなりのマップが存在します。やり込みダンジョンなんかも存在。
稲作をしっかりこなして食事を取るとサクナヒメの能力がどんどん上がっていき、鬼を蹴散らして島の探索度を上げるとメインストーリーが進む…という流れ。
総じて、インディーズ感の漂う本作ですがそれぞれのパートがしっかり作られており、シナリオも王道っちゃ王道ですが、未熟なサクナヒメが成長する様子を楽しむことが出来ます。登場人物もそれぞれキャラクターが立っていて、イベントシーンがそれほどしつこくなく見ていて楽しいです。
引用元:https://automaton-media.com/articles/newsjp/20200902-135634/
稲作パートについて
事前の情報だと『うまくイネが育たない!』といった意見が多かったのでどっしり腰を据えて臨んだのですが、思ったより簡単でした。ぶっちゃけ適当にやっても何とかなる。(難易度:ふつう)
肥やしを絶やさないようにしっかり耕して収穫すればどんどんレベルが上がって行きます。たまたま運が良かったのかもしれませんが、イネが病気になったことは一回もありませんでした。もう少し難しくても良かったんじゃないかな?という印象。
農業レベルが上がると便利な道具も開発されていくので、作業化して飽きが来ないようにうまく作られています。収穫の時期はとっても楽しみ。お百姓さんの気持ちが良く分かりますね。
アクションパートについて
アクションパートは結構骨太な印象でした。もともとアクションゲームは得意な方なんですが、それでも何度か死んでしまうことがあったり。特に夜の時間になると敵が爆発的に強くなるので、それで油断してドボン、なんてことがたくさんありましたね。(序盤は夜は戦わないのが定石です)
稲作パートのオマケ程度で考えていたんですが、どうしてなかなか面白い。空中コンボやブロッキングの要素があり、テクニカルな動きに慣れて来るとかなりの魅せプレイが出来ます。また、戦闘の事前準備として各種武器、服、面などの装備を揃えるところから、戦闘中に使う武技の選択、ステージに応じた食事を摂っておくことが重要になります。
序盤は大したことはないのですが、後半になるとこの辺をしっかりやっておかないと結構大変。例えばダメージが増える代わりにレアアイテムを入手し易くなる装備があるのですが、うっかり夜の時間まで装備しっぱなしだとあっという間にやられます。(笑
アクション自体は武技と羽衣アクションを駆使しながら敵を倒して進んでいく感じ。トラップを回避してジャンプや羽衣を駆使して進んでいく構成はスーパーマリオシリーズに似ていて、敵と戦うシーンは2D版のデビルメイクライみたいだなって印象でした。
ちなみにもし敵にやられてもステージの振り出しからやり直しになるだけで、デスペナルティはほとんどないです。難易度調整可。
引用元:https://sukiaraba-game.jp/?p=36083
ダメだった点
装備の付け替えがちょっと面倒くさい。前述のように、例えば毒ガス地帯であればガスマスクみたいな装備を付けないといけないんですが、いちいちステータス画面で装備を付け替えるのが手間でした。
また、装備には固有スキルがあり「〇〇を××個入手する」というような条件を満たすとスキルレベルを上げることが出来るのですが、必要アイテムを入手する時に他の装備を付けているとカウントされないのでいちいち細かく付け替えてあげる必要があります。その辺もうちょっとスムーズにならないかなと思いましたね。他の装備付けててもカウントしてくれればいいのに。
あと、トロコンも作業感があって面倒くさい。例えば「武技のレベルをマックスにする」というトロフィーがあり、武技は敵にヒットさせるほど熟練レベルが上がるのですが、一つの武技を開始~クリアまで使っていてもレベルマックスになりませんでした。よほど意識して使うか、ひたすら敵に武技を当て続ける作業が必要になって来ます。その他のトロフィーもやたら時間がかかるものがあって、トロコンは諦めちゃいました。
総じての感想
本体価格が安いので、この値段でこれだけ遊べるなら『買い』のゲームだと思います。稲作という一風変わったシミュレーション要素を取り入れているので、誰でも新鮮な気持ちで遊べるんじゃないでしょうか。
デフォルメ調のグラフィックですがキャラクターも可愛くて、主人公のサクナヒメがしっかり神様として成長していくストーリーを楽しむことが出来ます。個人的には声優の大空直美さんがサクナヒメにピッタリマッチしてますね。他の声優さんでは考えられないでしょう。
反面、ゲーム自体はやや大味なところがあり、プレイ時間も短いです。30時間くらいで全クリ出来るんじゃないでしょうか。もし次回作を作るのであれば、フルプライスでもっと規模の大きい舞台でサクナヒメ2を作って欲しいですね。
毎日の夕食が美味しくなるゲームでした
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