Twitter有料化のウワサを検証してみる

2022年4月26日、実業家のイーロン・マスク氏がTwitter社の株式を100%取得し、日本円にして約5兆6000億円で買収したと発表しました。Twitter側もこれに対して受け入れの姿勢を見せているそうです。

そこで飛び出したのが『ツイッターが有料化される』とのウワサ。一体どうしてこんなウワサが出ているのか。実際のところ本当に有料化される可能性はあるのか。今回はそのへんを解析してみました。

有料化されるというウワサの火元は?

まずツイッターが有料化されるというウワサは10年以上前から定期的に出ています。ある種の風物詩と言えるでしょう。巨大掲示板の2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)でライトユーザーに対し『2chは本来有料サービスだから、知らずに使い続けているとそのうちとんでもない使用料を請求されるぞ』と不安を煽って楽しむ風潮がありますが、それと似たようなものじゃないかと思います。

2chの利用料金内訳書と銘打たれた書類。もちろんこれは手の込んだニセモノ。

今回、イーロン・マスク氏はツイッターの買収について「言論の自由は民主主義の基盤であり、ツイッターは人類の未来に不可欠なデジタルの広場だ」と強調し、また「より良いサービスを提供する」と声明を発表しています。

この「より良いサービス」の中身について具体的な言及はされてませんので、それが有料化の不安と結びついているのではないかと思います。しかし前段の「言論の自由」という部分に焦点を当てれば、有料化して資力のある者しかツイッターで情報発信出来ず、貧乏人は口を塞がざるを得ないというのは、イーロン・マスク氏の思想と矛盾するかと思います。

Twitterにはすでに有料サービスがある

ツイッターにはすでに去年から、『ツイッターブルー』と呼ばれるサブスクリプション制の有料サービスが存在します。これはアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでしか導入されていませんので、日本ではあまり知られていません。

ツイッターブルーは月額有料制で、加入すると以下のことが出来るようになります。

  • 広告の非表示
  • 気に入ったツイートのブックマーク
  • 話題の記事の表示
  • 配色のカスタマイズ
  • ツイッターのアプリアイコンのカスタマイズ
  • ナビゲーションのカスタマイズ
  • リーダー機能
  • ツイートの取り消し

地域や国ごとによって金額は異なりますが、大体毎月3ドルくらい。今は円安ですから日本円にすると400円くらいでしょうか。

ぶっちゃけ便利そうなのは『広告の非表示』と『ブックマーク』機能くらいで、他はお金を払うほどでもないように感じますが、とりあえずツイッターはこのような『有料アカウントサービス』をすでに展開しています。ニコニコ動画のプレミアム会員みたいなものですね。

もちろんこのサービスを展開している国でも、フツーに無料版のツイッターは利用出来ます。

今後の展望について

おそらく、サブスクリプション版のサービスを展開する国を増やすか、それか有料版の機能にアッパーを入れるという可能性は十分にありますが、先にお伝えした通りイーロン・マスク氏は『言論の自由』を重要視している性格ですので、無料版を全て撤廃するということは無いと思います。

それにSNSが無料が基本なので、ツイッターだけ有料にするとよほど魅力的なサービスが存在しない限りは別のSNSにシェアを奪われたり、ユーザー離れを起こすことになります。その辺の判断は慎重に行うことでしょう。

有料化したらみんな他SNSに流れるよね…